一般の人口の数パーセントあるいは十数パーセントの人が、生涯のうちいつかはかかる可能性があるといわれるほど数多い病気です。
抑うつ気分・不安・イライラ・集中力低下など、情動面に現れる症状以外に倦怠感・食欲低下・頭痛・動悸・めまい感・口渇などの身体症状を伴うことが多いのが特徴です。
身体症状にばかり目が行くと、身体疾患だと思い込んでうつ病に気づかないということも起こりえます。不眠(途中で目が覚める、朝早く目が覚めるというタイプもある)・食欲低下は特に頻度の多い症状なので、心身の不調に不眠・食欲低下が伴う時にはうつ病を疑う必要があります。
自律神経の不均衡によって、頭痛・頭重・動悸・胃腸障害・めまい・ほてり・発汗など様々な症状が出現します。医療現場では不定愁訴と呼ばれることもあります。身体的治療が奏効せず長引くことが少なくありません。
情動と自律神経の間には密接なつながりがあり、情動の安定化を視野においた治療によって情動が安定するとそれに並行して自律神経症状も軽快する、あるいは消失することが期待できます。
突然に呼吸困難・胸痛・頭痛・めまいなどに襲われ、短ければ数分長ければ一時間程度持続し、その間不安や恐怖に翻弄されます。そのような発作は繰り返されることが多く、「また起こったらどうしよう・・・」という予期不安から、電車に乗る、車に乗る、買い物に行くといった当たり前の日常生活に不自由をきたすようになります。
発作に襲われると驚いて病院に駆け込んだりしますが、検査では異常が見つからず、時間が経てば症状もすっかり消滅するため、治療の取っ掛かりが見つからないこともあります。
このようなパニック障害には薬物療法と認知療法の重要性が確認されています。
物忘れが中心症状ですが、進行すると脳機能が広範囲に損なわれ、日常生活・社会生活を送る機能が低下してしまいます。現状では根本的治療法がありませんが介護やリハビリの工夫と適切な薬物の使用で、ある程度進行を遅らせることを目指します。
アルツハイマー型・レビー小体型・前頭側頭型・血管性などのサブタイプがあり、どのタイプかを知ることが症状の理解や治療に役立ちます。
また随伴症状といわれる幻覚・妄想・せん妄などは薬の適切な使用で改善できる可能性があります。
不眠はつらい症状です。睡眠導入剤の使用でひとまず楽になることが多いのですが、安易な睡眠導入剤の使用は不眠をかえって長期化することがあります。不眠は何らかの疾患の部分症状として現象していることが多いものです。そういった場合には疾患全体の治療の中で睡眠導入剤の使用を考慮します。